二軒茶屋餅の歴史
二軒茶屋餅の創業は天正年間(一五七五年)。
「二軒茶屋」というのは町の名前で
伊勢中心部を流れる勢田川の船着き場に
当店の先祖である「角屋」と「湊屋」という
二軒の茶屋ができたことに由来し
そこから当店の餅は「二軒茶屋餅」と
呼ばれるようになったと伝えられています。
江戸期から昭和初期の勢田川水運は
お蔭参りで活気づく伊勢を支えた大動脈。
二軒茶屋は三河や遠江から船で伊勢湾を渡り
勢田川を上った舟参宮客で賑わっていました。
多くの旅人が餅で腹ごしらえをしながら
旅の始まりに胸を躍らせていたことでしょう。
昔と変わらぬ餅を茶屋にてお出ししながら
舟参宮客で賑わった土地の記憶・風土の物語を
未来へつなげていきたいと存じます。